『にげたしたおばけやしき』、家族で住み続けてきた家を、どうするか?

― 残暑お見舞い申し上げます ― お盆のひととき

今年のお盆は、超大型台風の襲来もあり、予定通りに過ごせなかった方も多かったのでは。

久留米市周辺は思ったほどの影響はなかったのですが、被害の大きかった地域もあることでしょう。

 

お盆は、家族や、普段あまり会わない親戚とも顔を合わせる機会がありますね、

久しぶりに会ってお互いの近況を語り合うのは楽しいひとときです。

 

不動産に関しては、今の住まい、これからの住まい、また、実家の家や屋敷をどうするか、家族で考えるいい機会になります。

もし、久留米市周辺で誰も住まなくなったご実家や、これから住み替えを検討されるご家族がおられたら、当方でも

お役に立てるかもしれません。

ぜひご連絡ください。

『にげたしたおばけやしき』

ところで今日のお題は、『にげたしだおばけやしき』。

そう、この本です。

家族で住み続けてきた家をどうするか、ちょっと考えされられます。

子供のころ、実家の本棚にあって、大好きな本の一冊でしたが、

実家の蔵書は人に譲ったりしてほとんど残っておらず、この本もずっと記憶の底に埋もれていました。

子供達と図書館の児童書コーナーに通うようになって、思い出し、探していましたが、

どこの図書館でもなかなか見つけることができませんでした。

そして数年前、久留米市城島図書館 でようやく、再会しました。

城島図書館、すごい。

 

ドイツのギュンター・シュバングという人が1962年に原題『ひまわり通りの家』で発表したお話で、

日本では1974年に塩谷太郎氏の訳で文研出版から出版されています。

この本のはしがきには、こうあります。

 子供のころ読んだお話を、ふと思い出して、遠くすぎさった日を、なつかしく思うことがあります。

わたしは、みなさんがおとなになったとき、ふと思い出して、むかしをなつかしむような、お話をしてあげられたら、どんなにいいだろうなあ、と思いながら、いつも子供の本の仕事をしています。   塩谷太郎

たしかに、ふと思い出して、もう一度読みたいと思いました。

なにしろ、このお話の家は、逃げ出すんです、子供心に強い印象を持ちました。

挿絵も大胆でカラフルでユニークで、あたたかいです。

お話のあらすじは、こうです。

 …

この家は、ビュンペルリさんのご先祖がたてたもので、もうすっかり古びてしまいましたが、まだまだりっぱに、住居としてのつとめをはたしていました。

それなのに、ビュンペルリさんは、この家を売って、新しい現代式の家をたてようと思いたったのです。

古い家は、それを知って、とてもかなしみ、なんとかして売られないですむようにと、いろいろちえをしぼります。

このお話は、この古家ふるいえのよろこびやかみしみを、まるで生きているもののように描いて、わたしたちの共感をよぶと同時に、古いもののよさを、わたしたちに教えています。

…以下略

『にげたしたおばけやしき』あとがきより

 

(不動産仲介業者としては、下線部について、「この家を売って、新しい現代式の家に引っ越そうと」という表現がいいと思いますが、そんな細かいことはいいとして、)

このお話でおもしろいのは、この古家を感情のある生き物のように扱い、さらには

不動産たる家屋が、自らの意志で移動するという、奇想天外なところです。

 

(不動産業者としては、いちいち古家に感情移入していくわけにはいかないのですが、個人的には、)

もしかしたら、家にだって意思があるかもしれない、と夢想したくなります。

そしてそれは、そこで生活した記憶と、あるいはこれから生活していく日常を、豊かに幸せにしてくれるものではないでしょうか。